ウワイト(倭人)大学院講義録
『出典』言語復原史学会・加治木義博大学講義録01:5頁
文献の絶対性
『魏書倭人章』を主題にした書きものや、学説と自称するものの中には、
その文字や記事が「間違っている」と称して、
勝手に「書き変える」者がいる。
そのポピュラーな実例は「邪馬台国・大和説~畿内説」である。
よくご存じだと思うが、「伊都国から<南>」と書いてあるのに、
それは「<東>の間違いだ」と称して、
九州からはるか東の「奈良県または近畿の一部が邪馬台国だ」と説く。
それは過去に彼等の派閥の先輩が、無考えに発表した「大和説」を盲信して、
その「先入観」のほうが正しいから、
『魏書倭人章』のほうが間違っていると信じているのである。
だが情報源である文献を頭から否定するのなら、史学というものは存在できない。
「間違いだ。作り話しだ。後で書き足したものだ」というためには、
徹底した研究によって確立することのできた、
それ以外にはないという動かない証拠をもった完全な答えを、
その答えに到達した研究過程の全貌とともに発表して、世の承認を得なければならない。
それをしないで、ただ「奈良が正しいのだから東が正しい」というだけでは、学問とはいえない。
文献の一字一字が「基礎情報」なのだから、一字でも間違えると答えは大きく狂ってしまう。
南か東かで、どれくらい狂うか、この実例がよい教訓である。
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