2012年1月16日月曜日
一字で豊富な意味をもつ漢字
『出典』言語復原史学会・加治木義博大学講義録03:9頁
一字で豊富な意味をもつ漢字
この部分の筆者が誰かは確実にわかる。
「張政」は卑弥呼の最期に間に合わなかったから、
会うこともなく、その政治もみていないので、
この記事は二度来日した帯方郡使のうち、
先に来日して卑弥呼に会って帰った「梯儁=ティシュン」が書いたものである。
後漢から魏にかけての中国政治成熟時代の人物・梯儁は、
法律でがんじがらめになった官僚制度による中国式の政治だけが、
誰もが納得できる本物の政治だと思いこんでいたから、
それとは全く異質の、
宗教と政治の区別のない、
宗教を政治の道具にしている卑弥呼のやりかた=
「祭政一致」を、どうみても
「国民をご都合主義でうまくだましている眉唾もののやり方」と感じたためと、
それを「惑」の一字にこめて報告しているのである。
私が今ここでこの「惑」の一字を教材に選んだのは、
この『魏書倭人章』に限らず中国の文章は、
一字一字が大きな意味をもっていることを
先ず全てに優先してよく認識しておいて戴たかったからである。
それは漢字そのものが一字で様々な意味をもっているためだが、
その意味も時代を重ねるにつれて、ますます新しい意味を加えていく。
だからこそこれまでお話ししたような
筆者の細かな心の動きまで手に取るようにわかるのである。
過去の『魏書倭人章』の邦訳文は
どれも満足なものではないこともおわかりになったと思う。
『参考』
ウワイト(倭人)大学院講義録
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