ウワイト(倭人)大学院講義録
『出典』言語復原史学会・加治木義博大学講義録01:8頁
アンドレー・ミラーの日本の学界批判
過去の『魏書倭人章』をめぐる「説」は、基礎になる土地なしで、
いきなり「空間に建物を建てる」という、現実には絶対に実行不可能な、
「砂上楼閣」以上に常識はずれなもので、必ず失敗することがわかりきった、
いい加減な手法のものばかりだった。
それはとんでもなく馬鹿げたことだが、日本の学者は一人もそれに気がつかなかった。
それをはっきり指摘して批判したのが、
戦後の米国では有数の日本語学者・ロイ・アンドリユー・ミラーで、
その名著『日本語』の中で、
「日本の学者は『魏書倭人章』を研究するのに、
その漢字で書かれた名詞を、自分勝手なやりかたで、
日本だけでしか通用しない発音で読んで、
中国語でも万葉ガナでもない全然システムの違うものを、
好き勝手にごちゃ混ぜにして使って……」
と、呆れはてている。(加治木義博の『邪馬臺国の言葉』参照)。
それは彼でなくても誰が考えても確かにそのとおりで、
その幼稚さ加減はすぐわかる。
ところがさらに驚くことに、
それほど馬鹿扱いされながら、その後もそのまま、
まるで他人事のように放置したまま、
その恥ずかしい「説」が今なお平気な顔で本屋の店頭にならんでいる。
実に情けないことだが、
日本の古代史学界がどの程度のものか、
どんなに世界の笑いものになっているか、
そして私たちの仕事がなぜ必要なのか、
よくおわかりだと思う。
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