2012年6月27日水曜日

「初国知らす天皇」は蘇奴国の天皇



 『出典』言語復原史学会加治木義博大学講義録12:27頁

 《「初国知らす天皇」は蘇奴国の天皇
 「「初国知らす天皇」は蘇奴国の天皇

 この蘇奴国が襲の国になり、

 囎唹(ソオ)になったのはすでにみたが、

 『日本書紀』神武天皇己末(きび)年春二月のところには

 層富県(ソフのアガタ)という当て字が使われている。

 このソオ・ソフという発音の変化がなぜ起きたかもお話ししておこう。

 『三国史記』高句麗本紀では、

 位宮の曾孫・西川王は薬盧(屋久国)、

 その子の烽上王は相夫という名乗りをもっている。

 この相夫は「ソフ」とよめると同時に、

 夫をオと読めば、「ソオ」であるから、

 層富・囎唹の両方に読める。

 この王は後世の蘇奴国王だったことと、

 ソオ・ソフという発音の変化がなぜ起きたかを、同時に教えてくれる。

 大学講義録11の『先代旧事本紀』国造本紀の、

 旁国との対比リストには挙げなかったが、

 大隅国造の名乗りに、このソオが出てくる。

 「大隅国造 纏(まき)向日代朝御世 治平隼人 同租 

  初小 仁徳帝代者 伏布 為

  曰佐(おさ) 賜 国造」と書いてある。

 この「初小」が、拗音のない鹿児島語では

 「初=ショ=ソ」、「小=オ」で、

 ソオに対すもる当て字だとわかる。

 「初国」は「ソ国」で蘇奴国や襲の国への当て字の一つなのだ。

 『古事記』崇神天皇記の最後にある

 「謂(いう)所 知 初国 之 御真木天皇 也」は、

 最初の天皇という意味ではなくて、

 「襲の国=層富」を治めた天皇という意味なのである。

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