2012年6月25日月曜日

姐奴はピッタリの月野、大人弥五郎の国



 『出典』言語復原史学会加治木義博大学講義録12:18頁

 《姐奴はピッタリの月野、大人弥五郎の国
 「姐奴はピッタリの月野、大人弥五郎の国

 姐奴 tsiet no は、

 これまでチヌ・チノと誤って読まれたために、

 茅淳・茅野・角我(チヌガ)などが挙げられてきた。

 国造本紀の都怒(つぬ)国造もその一つである。

 しかし「姐」の正確な漢魏音は tsiet で、

 語尾についた「t」は、

 「チッ」と撥(は)ねることを指示しているから、

 姐奴の発音は「チッノ」以外にない。

 これは一般常識では、日本には存在しそうもない地名である。

 しかし日本に1か所だけ、その通りの発音の地名が現存している。

 それが鹿児島県曽於郡大隅町の「月野=ちっの」なのである。

 この月野は一見、小さな町の一角にしか見えないが、

 実際には月野には字(あざ)が13もある。

 古代には大隅半島の要所を占める国だった名残りだ。

 それを証明するのは、

 この大隅町が鹿児島県でも最も有名な町の1つだということである。

 この町にだけ「大人弥五郎(やごろう)どん祭り」という伝統行事がある。

 この弥五郎どんは熊襲だとも武内宿祢だともいうが、

 車のついた台の上に巨大な弥五郎どん人形が突っ立っているのを、

 大勢の勢子が「ダンジー討った」と掛け声をかけながら引き回す、

 ちょうどスサノオの命を祀る京都八坂神社の、

 山鉾が巡行する祇園祭りの原形が、この町だけにあるのである。

 ついでにいえば、

 この弥五郎という名は「イヤツゴロ=大食漢(おおぐらい)」を意味し、

 フランス民話の大食漠・巨人ギルガンチュアと、

 多くの共通点をもっていることもご記憶ねがいたい。

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