2012年6月8日金曜日

ギリシャ式発音が生んだ唐代以後の地名



 『出典』言語復原史学会加治木義博大学講義録12:11頁

 《ギリシャ式発音が生んだ唐代以後の地名
 「ギリシャ式発音が生んだ唐代以後の地名

 好古都の音声記号は xog ko to だが、

 この「 x 」は舌根を使う喉音で、

 ギリシャ語のカ行の音価を表わす文字。

 古代ギリシャ語もカ行・ハ行・サ行が混乱する方言があり、

 インドがヒンドゥやシンドゥと発音されるのもそのためで、

 中国語もヒマラヤを喜馬拉雅と書く。

 カールグレンが、この音声記号にわざわざ「 x 」を選んだのは、

 当時の「好」の発音がギリシャ語式に曖昧で、

 古や都のように k や t で表わせない音域をもった文字だったからである。

 ギリシャ語のⅩの読み方は Khi 、

 その発音は khi=キまたは xεi =ケイで、

 日本語の「毛」の沖縄語と関西語との発音差に相当するが、音価は kh でクフだから、

 方言では k と h とに分かれる。

 好の字の漢魏音も、ちょうどこれと同じく k と h に分かれるのである。

 その証拠に、この好古都は3世紀以後どんどん方言化して、

 移動先に k ・ h ・ S 音で始まる(子地名)や(孫地名)を生みつけて行った。

 注(都がツやタになるのは唐音が入った後である)

 K カコツ 篭津 篭の津 カゴの枕崎(鹿児島県枕崎市) 篭津国=カゴッマ=鹿児島

   カコジマ 賀古島・カコガウ 加古川(兵庫県) サコタ  迫田・佐古田

 H ハコツ 筥(はこ)都→ハカタ 博多・ハコザキ 筥崎(福岡市)伯方(はかた)(愛媛県・広島県)

   ハコチ 伯津→ハコキ 伯木→ハウキ 伯耆(鳥取県)  サカタ 坂田・佐方


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