2012年3月8日木曜日
奇妙な幻視「南九州空白域」
『出典』言語復原史学会・加治木義博大学講義録08:10頁
《奇妙な幻視「南九州空白域」》
「奇妙な幻視「南九州空白域」」
この場合『畿内説』と違って島々があり問題ないが、
その投馬国は、距離、方位、発音から
今の鹿児島県大島郡・十島村だが
「戸数 道里 可 略載」の国に入っている以上、
投馬国までが「自 女王国 以北」の国に入る。
そうだとすると、
「自 女王国 以南」の国々、すなわち旁国は、
全部、
南西諸島以南にあるということになってしまう。
それなら旁国は確かに「遠絶」はしてはいるが、
現実の九州の地理条件を見ることを忘れてはならない。
なぜなら伊都国が佐賀市付近であることは動かないから、
その東南100里の奴国と、東100里の不弥国とは、
どちらも伊都国から5~6kmしか離れていない。
するとこの佐賀周辺ブロックと
鹿児島県中部の邪馬壹国との間には、
広大な面積の地域が現実に実在するのに、
『魏書倭人章』はその全部を書き落としていることになる。
旁国は南西諸島にあった国々だとすれば、
より近くて知識の豊富な、
九州の半分にも及ぶ広大な地域を、
なぜ空白にして全然書かないのか理解に苦しむ。
これは明かに陳寿が記録を落としたか、
編集し誤ったか、
または表熟こ誤りがあるのである。
文献史学を手掛けるには、
こうした点をよく見分けて、
絶対に見落とさない努力が必要だという最適の例だから、
徹底して真相を追及してみよう。
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