2013年7月28日日曜日

同形語の調査が新しい発見につながる


 『Yahoo!天気・災害』 

 『出典』言語復原史学会加治木義博大学講義録26:8頁

 私たちは、

 こうした物語を話すときも、

 会話を交わすときもどちらも「話す」というし、

 また徹夜で話したことを「語り明かした」といって、

 話すと語るを区別せずに使っているが、

 私(加治木義博)が南九州に住んでいた終戦直後までは、

 その地方では会話は「話し」といい、

 物語をして聞かせるのは「カタる=語る」といって、

 はっきり区別していた。

 この「語る」の語源は、

 パーリ語の「katha カター 物語」である。

 「話し」のほうは訛りの修正がいるが、

 それが後の説明に重要な役割を果たすので、

 飛ばし読みをしないようにお願いする。

 「話し」のパーリ語は「bhanati ブプハナチ」なので、

 一見、「話し」とは関係なさそうに見えるが、

 ブハナチは沖縄語ではバナチになり、

 南九州語でバナシ(本土語でも語尾にくればバナシと発音する)、

 それが清音化してハナシになるので「話し」の語源でもあることがわかる。

 「ブハナチ→バナチ→バナシ→ハナシ=話し」なのである。

 このbhanati プハナチに近い言葉に 

 「bhava ① 「繁栄」があり、

 「bhavatiブハバチ ② 「有る、存在する」 ③ 「尊尼、尊姉」。

 という言葉がある。

 この言葉は命令形になると「hohi ホヒ」に変わる。

 「居れ・居よ」と、

 「人々を善導する尊尼たれ」という意味である。

 これが本講23の25頁以下でお話した

 『天の稚彦物語』の始めに登場する。

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