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《考古学&古代史の諸問題》
《参考:年表・資料》
出典:歴史学講座「創世」 小嶋秋彦
阿曇・安曇(24)高床式神殿の祭神(2)水神
アルパチヤの碗形土器には
二人の人間の身長よりも大きい壺が描かれている。
壺はアッカドのマルドゥク王の場合のように王の象徴でもあった。
ハラフ期・ウバイド期の神殿に残された壺の中からは
穀物、動物の骨、魚の骨などが発見されていて、
神殿への奉納のための容器として使われたことを示している。
しかし、牛頭・マルタ十字紋と並列された壺には
単なる貯蔵用容器を表すだけでない
神への期待が込められている。
「水の恵み」を祈願しているものとみられるのである。
シュメル語の畑を表す aša は「真ん中に水がある」字義で、
農耕のために水がいかに貴重視されていたかが解る。
「ア a 」が水、
「シャ sa 」が中央を表す。
高床式神殿の「高み」にある聖所は
suku ないし sug と称したことは紹介済みだが、
この用語の絵文字は「○の中に横∬」で、
容器の中に水があることを表している。
楔形文字になると、
刻文は一つでも「池・堤」を表し、amber と読まれた。
また、天空 zikum を表す楔形文字は engur とも読まれ
「深海」ないし「深水」の意味で、大量の水を想像させる。
河川は「 id イドゥ」であるが、
その楔形文字は水とengur/zikumとの合成語である。
エリドゥの神殿の呼称は e engur で「水の神殿」の意である。
Engur の楔形文字を分析すると、
容器( gur )が星型米( an )を囲んでいる。
つまりengur は an-gur であり、「天にある容器」と解釈でき、
雨を降らせるために水を貯える天の壺と考えられる。
壺は dug ないし duk と呼ばれた。
この楔形文字はまた buk とも読まれ、動詞形になり、
「所蔵する」の意味になる。
さらにこの語は「耕作する」にも使われ、
神殿の壺が穀物の豊饒を祈っていることも理解される。
《参考》
ARPACHIYAH 1976
高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、マルタ十字紋等
(アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている)
牛頭を象った神社建築の棟飾部
Tell Arpachiyah (Iraq)
Tell Arpachiyah (Iraq)
ハラフ期の土器について
ハブール川
ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
ARPACHIYAH 1976
高床式神殿
牛頭を象った神社建築の棟飾部
神社のルーツ
鳥居のルーツ
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