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『日本創世紀』:倭人の来歴と邪馬台国の時代小嶋秋彦
セブンネット
※出典: 『日本創世紀』:倭人の来歴と邪馬台国の時代小嶋秋彦 190~195頁
≪アズミ族の正体≫③出雲〔島根県〕
「出雲」名は es-mah〔家-大きい(高い)〕と理解できる。
『古事記』の国譲り伝承の段にある
「多岐志〔現出雲市武志〕」 は du-gis〔邸宅(屋敷)-木〕で
「木の神殿を表わす」。
この建造に当たるのが「久那斗神」で
ku-nata〔立てる-柱〕に依り、
「柱を立てる」ことは「家を建てる」仕事で、
それをサンスクリット表記した名称が「建御名方富神」名となる。
「建」は「建設」を担う表示で、
「ミナカタ」は mana-kartt〔建設工、建築工〕と
「棟梁」といった呼称である。
「富」はシュメル語の dum〔大工〕で、
出雲市の東隣り斐伊川を挟んだ斐川町の「富村」 名に由来する。
同地の富神社には久那斗神が祀られている。
「御名方神」名は『古事記』の国譲りの段のみで外にはない。
しかし意義を同じくする神名はまだある。
「水戸神」名は
minati〔(柱)を建てる、建設する、建立する、固定する〕の
音写である。
これをさらにギリシャ語で表記したのが、
「秋津日子命」名の「アキツ」で
ArXi-Tekton〔建築家、棟梁〕の転訛である。
同語は英語で arktechter〔箱の技工〕の祖語である。
久那斗神一族の名称としては足長神、手長神また稲田姫とある。
それぞれ
es-nagar〔家-大工〕、du-nagar〔屋敷-大工〕、
i-nata〔高くする-柱〕で、大工の属類名である。
しかし、「イズモ」にはまた重要なアズミ族の事蹟がある。
『古事記』に登場する「大穴持命」に係る。
つまり is-maha〔穴-大きい〕がその源語で
「シマネ:嶋根」名と関係する。
「出雲国風土記」が
「嶋根と號くる所以は國引きましし
八束臣津野命の詔りたまひて、名を負せ給ひき。
故、嶋根といふ」と述べている。
「島根」〔現県名〕の由来がそこにはある。
「シマネ」と「ツノ:津野」は同義である。
「島」は「鹿児島」名の説明で挙げた「シマ」と同義で、
za-ma〔国〕に依る。
そして「ツ:津」はその za の音写でここでは同義である。
そして「根:ネ」及び「野」は
同じくシュメル語での na〔石〕の音写で、
双方ともその語義は「国・石」で、
ここが「石の国」であるといっている。
現在、島根町は松江市の北側日本海に面してある。
そこに最近まで国石神社はあった。
しかし、同名社は前記の風土記にもなかったことから
改名されてしまった。
『古事記』やその風土記がどういう勢力によって
編纂されたかを知ればその理由も解かるが、
現名と「国石」とどちらが重要か理解できるはずである。
「シマネ」は「国石」の別称なのである。
さて「根」は「石」の語義とした na とは発音が異なる。
「根」は ne である。
しかしその背景は重要である。
Ne は「赤い」で、
その「石類」が「赤い石」であることを示唆している。
「赤石」は「銅」を表わす。
つまり、この地域で銅が産出されていたのである。
和名類聚抄楯縫郡に「治田」名がある。
「ハルタ」は hur-te〔山-銅〕で「銅山」である。
「大穴」とはその坑道をいったものである。
出雲が強い勢力に成長したのはその銅のお陰である。
島根町内の地名「大芦(蘆)」は「大穴:is」に依り
「加賀」もKVK〔洞〕に依る。
両方の地域にある「木の山神社」名は「金山」である。
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