2015年9月28日月曜日

火遠理命:海幸彦と山幸彦


 出典:歴史学講座「創世」 小嶋秋彦

 ≪アズミ族の正体≫火遠理命:海幸彦と山幸彦

 課題:阿曇族と天孫降臨伝承
    ―海神の宮の物語が隠している日本の創世―

 出典:「日本古典文学大系」:135~136頁
     発行:岩波書店

 故、火照命者、爲海佐知毘古【此四字以音、下效此】

 而、取鰭廣物、鰭狹物、

 火遠理命者、爲山佐知毘古而、

 取毛麁物、毛柔物。

 爾火遠理命、謂其兄火照命、各相易佐知欲用、

 三度雖乞、不許。

 然遂纔得相易。

 爾火遠理命、以海佐知釣魚都不得魚、亦其鉤失海。

 於是其兄火照命、乞其鉤曰、

 山佐知母、己之佐知佐知、海佐知母、已之佐知佐知、

 今各謂返佐知之時、【佐知二字以音】

 其弟火遠理命答曰、

 汝鉤者、釣魚不得一魚、遂失海、

 然其兄強乞徴。

 故、其弟破御佩之十拳劔、

 作五百鉤、雖償不取。

 亦作一千鉤、雖償不受、

 云猶欲得其正本鉤。

 故、火照(ほでりの)命は、

 海佐知毘古(うみさちひこ)

 【此の四字は音を以ゐよ、下は此れに效へ】

 と爲(し)て

 鰭(はた)廣物(ひろもの)、

 鰭(はた)の狹物(さもの)を取(と)り、

 火遠理(ほをりの)命は、

 爲山佐知毘古(やまさちひこ)と爲(し)て、

 毛(け)の麁物(あらもの)、

 毛(け)の柔物(にこもの)を取りたまひき。

 爾に火遠理の命、其の兄火照の命に、

 「各(おのおの)佐知(さち)を

  相易(あひか)へて用ゐむ。」

 と謂ひて、

 三度(みたび)乞ひたまへども、許さざりき。

 然れども遂に纔(わづ)かに

 相易(あひか)ふることを得たまひき。

 爾に火遠理の命、以海佐知(うみさち)

 を以ちて魚釣らすに、

 都(かつ)て一つの不得魚も得たまはず、

 亦其の鉤(つりばり)を海に失ひたまひき。

 是(ここ)に其の兄火照の命、

 其の鉤を乞ひて曰ひしく、

 「山佐知も、己(おの)が

 佐知佐知、海佐知も、已が佐知佐知。

  今は各佐知(さち)返さむ。」と謂ひし時に、

 【佐知の二字は音を以ゐよ】

 其の弟(おと)火遠理の命、

 答へて曰(の)りたまひしく、

 「汝(いまし)の鉤は、

  魚釣りしに一つの魚も得ずて、

  遂に海に失ひつ。」とのりたまひき。

 然れども其の兄強(あなが)ちに

 乞ひ徴(はた)りき。

 故、其の弟、御佩(みはかし)の

 十拳劔(とつかつるぎ)を破りて、

 五百鉤(いほはり)を作りて、

 償(つぐの)ひたまへども取らず。

 亦一千鉤(ちはり)を作りて、

 償ひたまへども受けずて、

 「猶(なほ)其の正本(もと)の鉤を得む。」

 と云ひき。

 《参考》

 ARPACHIYAH 1976
 高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、マルタ十字紋等
 (アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている) 
  
 牛頭を象った神社建築の棟飾部

 本生図と踊子像のある石柱

 Tell Arpachiyah (Iraq)
 Tell Arpachiyah (Iraq)    
 ハラフ期の土器について
 ハブール川
 ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
 ARPACHIYAH 1976
 高床式神殿
 牛頭を象った神社建築の棟飾部
 神社のルーツ
 鳥居のルーツ

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